[レポート]大阪勉強会で登壇してきました2018年7月&11月
月と11月大阪オフィスの開設2周年で登壇しました。7月分と11月分で2つ合わせての内容だったなと思い統合しています。ただ、すごく長い記事となりました。読み切れる記事は大切だと思っているのですが、あえて長い状態で出してみます。
普段はアプリのデザインを担当しています。印刷会社からキャリアスタートして、WEB、アプリと転職してきました。自身の弱点と不安を解消するために、まず、コーチングを習いました。今現在、基礎からやろうと社会人大学で心理学を学んでます。
登壇内容は、当たり前のことしか言ってないです。「今更感」はあるかもですが、あえて当たり前のことが本当に大切だという内容です。「あなたはそういう風に思うんだね。その意見には納得しないけど、そう主張するのは認めるよ」みたいな一例です。
前半は、実際に行って失敗した自身の体験、後半は、その上での自身が思っているデザイナーの立ち位置の話です。
7月登壇:デザインの実践って一体なんだろう勝手にやればいいと聞くけどという話
自身の失敗談をお伝えしました。体験・経験と考えると失敗して覚えるほうがよいのかもしれません。 しかし、振り返るとその中には痛い思いをした経験から、なにか得られていると実感できます。 こういうことあるという認識が他の方のなかにできれば幸いかと。
UXという言葉
私自身は好きではないです。学びとか内容は、photoshopとかイラレとか字詰めとかやってきた地味な作業で好きですが、どこまで掘っても先が見えないのです。広範囲であり、自分が使いこなせているとも思っていません。でも、好きでない理由はそういうことではありません。理由はいかに3つ書きます。
好きでない理由3つ
- 全員の共通意識でない(現在進行形で拡大している。無限拡大中)
- 一人歩きすぎる言葉(全員の共通認識ではないため、夢の魔法のように扱われる)
- 一人で孤軍奮闘した人が倒れていくのをみた(広範囲すぎる学問だけど、感覚でUXと言われること多い。理解者をふやさないと倒れる)
ビジネス的にはUXデザイナーであると公言する必要があるという葛藤で生きてます。人間なので仕方ないと思います。「自分からは能動的に使わない言葉」です。別の言い回しを使ったりします。相手によって変わります。
- 前提デザイナーはユーザーの立ち位置で話をしますという話をする
- それってビジネス要件なのですか?ユーザーさんの利便性よりも要求として強いものですか?(お金を払う人の優先順位を確認。そこで割り切れるか否かは商人なのかによると思う)
- ○○さんの言われるストーリーは「アプリを使うとき限定」という認識でいいでしょうか?(あやふやな言葉は教えていただく。相手の言葉の認識に合わせる)
- 相手がターゲットっていったら「ターゲット」。そしてターゲットってなんだろうというお話を聞いたり。
結果「心に余裕を持つのが大切」
余裕もつためというか、対応できるように勉強することは大切だと思っています。 読むのが難しい本も多いので、読書会とかみんなでやるのもいいです。
UXを勝手にやるの向こう側
「勝手にやればいい」というアドバイス。行動しないと意味がない。そこは大変同意します。やってみないとわかりません。
なのですが「やっぱりリスクはあります」。やる人は、それをやれる状態なのかは見極めないと、火傷します。実際に火傷しました。失敗から学ぶっていう言葉もあるし、大切なのかもしれませんが、まちがいなく成功しますとは言えないのです。結局どっちなのかというと、
やれるならやってみたほうがいい。失敗しても経験値は増えます。ちょっと火傷するぐらいです。
“いらない場合は避けるのもあり”という選択肢をココロに留めておくのも大切。
火傷の程度は人によって違うという認識が必要です。決めるのはやっぱり自分。あなたはどうしたいと思うのか?自分はどの程度それに人生をかけている?理由は何だ?というようなものや、はたして私はデザインを本気でやりたいのか?そこまで入り込むのか?を考えるのも大切だと思います。
実際なにを勝手にやったのか
1.勝手にサービスブループリントとかジャーニーをつくる(勉強やりはじめだと、やりたい病気にかかるので、できるんじゃないかと思います)
わたしがうまくいったのは? | わたしが失敗したのは? |
自分のためのデザインの考察の資料として作成する。自分にわかればぐらいの力加減で作成する。その上で、見せてみて、相手の反応がよければこの工数くださいの交渉できる。 | 調査・工数くださいは実績がないとほぼ100%反発がかかる。それでも、自分の時間を削ってやると、自分の作業時間だけがどんどん伸びていく。その上、見せても反応がよくない場合は、交渉の余地すらないつらい状態においこまれた。 |
ここでのポイント:「工数のはなし」と無理をしないこと。基本的にデザインするときやるよねって気持ちでつくろう。
2.ユーザーテスト案などそっと作っておく(自社での実現方法を模索してみることは大切)
わたしがうまくいったのは? | わたしが失敗したのは? |
機会を待つ。その時のために、資料をブラッシュアップしておくことは結構重要度が高い。みんなが悩みだしたときに、言うと採用されやすい。前もって考えていると、どこに交渉すればいいのかなどの下調べができる。 | 自分の気持ちだけで提案をする。先方や上の立場やマインドを理解していないと難しい。どころか余計な仕事を増やす人に陥る可能性はある。 |
ここでのポイント:「業務じゃなくて楽しめ」と無理をしないこと。
いろんな本やセミナーなどで、聞いた失敗を再度自分でやらかしてます。私は、自分で体験しないと学習できない人であったと思いますが、心に留めてほしい言葉は「無理をしないこと」です。無理して体を壊したら、再チャレンジに時間はかかります。適度な負荷はよいのですが、動けなくなってしますのはよくないです。
次の段階で、前回と同じようにやったのになぜかうまくいかないという問題に直面します。
相手が変われば、前回うまくいった手法が通用しない。柔軟になろう。
上記のような考えをもつようになりました(体験でしか学べないのかもしれないのですが)。
なんでお金もらえないのにやるの?
成功した事例は、体力あるとこもしくは誰か先駆者が努力した後ではないでしょうか。まだ取り入れてもいない会社は、やってみないと効果が理解できない=お金をかけれないのだと思います。
それは「自分が事例を作っていかないと難しい」ということになる。
地道に、基礎土台工事。みんなに認知していただけるように活動するなどは大切です。
伝える努力をしてみる
なぜデザインする前に調べたりターゲットを作ったり、マッピングをしたいのか。またそれに重点を置くのかの説明をしよう。でも無理すると倒れます。主に資料作成に追われて時間だけが超過します。
クラスメソッドのモバイルアプリサービス部は、毎週金曜日にプリサーブートキャンプという話たいことを話してよい時間が設けてありますので、話すのはやりやすいです。
ほどほどに頑張りましょう。ちなみに、人によって「ほどほど」は違う(荷物を4つ持てる=3つでほどほどの人もいるし、2つしかもてない=1つがほどほどの人もいる。)ので、自分はいくつ持つことができるのか?足りない場合、解決方法を模索するのか?見極める必要はあると思います。
やっぱ組織論って話はある
「偉くなればいい」というアドバイスは、同意はするけど難しいです。立ちはだかるのは、企業文化 と タイミングでした。
言い切る理由は、自身が過去に燃え尽きた過去があるからです。
タイミングは大切
今世の中の流れの「デザイン」を学んで自分もその一端を担いたいという野望を抱いたデザイナーがいたとする。所属している企業が、まだそこに注力する気がなかったら?
- 企業の上の人と話をする
- 企業の上の人を連れて、同じイベントにいく
- 他の社員を仲間に引き入れようと頑張る
でも「ムリ」な時はある
組織を変える | 所属する組織を変える |
ハードルがものすごく高い。これをやるには「偉くなる」が大切 | 適材適所はやっぱりある。ある組織では輝かなくても、輝く人はいる |
無理なら組織をかえろは正しいのかもしれないと思います。
クラスメソッド文化
『やりたいと思ったことはやってみろ。だめなら謝ればいい文化』は、入社した時に感動を覚えました。
クラスメソッドでやらせてもらったこと
- 社内他部所にさらっと紛れ込んでワールドカフェしてみる
- 勝手にデザイナーMTGでいろいろやるっていうか。好きにしていい時間をもらってる などなど
クラスメソッドに入ってよかったと思ったのは、その文化でした。
許容していただけるということは、発言がしやすい。自分がこれをやりたいを理由をもって意思表示できれば実現が可能なところは、文化だと思います。組織論は、クラスメソッドに入社してから実感できました。
11月登壇:チームワークと「デザイン×●●」
キャリアとかチームのお話をさせていただきました。わたしは、交流分析でいうところの「強くなければいけない」というドライバーにかなり支配されている人間なので、強くなろうとする傾向が強いです。
ただ、それを全員に求めることはないです。こういう風に考えている人もいるというモデルとしてお話しました。
あと根拠がないと手を動かすことができないデザイナーなので、最初にいろんな調べ物をしてます。デザインするときも、そのものの歴史を辿ってしまう傾向があります。めんどくさい人だなと思われる場合もあるのですが、自身では、最初に調べることは、デザイナーの大切なスキルかなと思ってます。
チームワークとはなんだろう
学術的な意味でのチーム
集団の定義 | チームの定義 |
集団とは、①二人またはそれ以上の人々から構成され、②それらの人々の間に相互作用やコミュニケーションが見られ、③なんらかの規範が共有され、④地位や役割関係が成立し、⑤外部との境界を設定して一体感を維持している人々から成立する社会的システム(広田, 1981) | チームとは、価値のある共通の目標や目的達成あるいは職務の遂行のために、力動的で相互依存的、そして適応的な相互作用を行う2人以上の人々からなる境界の明瞭な集合体である。なお各メンバーは課題遂行のための役割や職能を割り振られており、メンバーである期間は一定の期限がある (サラス, 1992) |
チームワークには品質がある
- 一流の選手だけで構成されたドリームチームが必ずしも最高のパフォーマンスをあげることができるとは限らない。(弊社YOKOTA de GOはドリームチームぽいと今思いました)
- 稀に、個々のメンバーを見ると秀逸とは言い難い人材で構成されているのに極めて優れた成果をあげるチームもある。
チームワークは発達する
チームにも、ライフサイクルは存在する。形成されてから成熟し崩壊するまで(モアランドとレイヴァン, 1988)の研究がある。
どんなにベテランで固めたチームでも、最初は必ず未熟でお互いの役割や仕事など手探りの状態の幼年期があるという話です。変革のタイミングで、再活性ができない場合、そのまま消滅します。
チームの発達には「葛藤」が必要
前提条件として、人間は以下の性質をもっていると知っておく。
- 人間は、自分を肯定的に評価する
- 人間は、チームで活動をするとメンバーの行動を一致させとうとする傾向を持っている
葛藤への対処はアメリカ人より日本人が苦手(オオブチ,タカハシ1994)。日本人は、なるべく顔をあわせないようにする「回避」行動をとるから苦手らしいです。問題直視と冷静な分析が大切らしい。
各自エース級で自立してるチームをみたことは?
野球とか、バスケとか、音楽とか画面の向こう側ならありますが、実際に目の当たりにしたことは私自身は多分ないのではないしょうか。誤解を招きますがCM社員は優秀です。
大体が、勉強のためにこの人をチームに配置とか。中途だけど入社したてとか。誰かをフォローするなどのチーム編成という認識です。
企業人である以上組まれたチームで、最大成果をあげる方法を考えることが大切だと思っています。
デザイナーとのやりとり(チームワークの話)
「ほんと、あいつらめんどくさい?」は、大体が誤解の産物です。
われわれは物作りの同志である
上記が一番大切だと思ってます。ただ、時間がなくて追い込まれている+チャットオンリーの会話など、お互い不和を生みがちになる要因はいくつかあると思います。
- デザイナーとエンジニアは、近いけど別の価値観で動いている人である。
- デザイナーは、ユーザーの価値とは何か?からスタートする。エンジニアは、メンテナンス・実装のし易さ・試したい技術などからスタートすると思います。
上記で、誤解が生まれるのは「デザイナー側の意見だけの場合」。同じく「エンジニア側だけの意見でデザイナーと話すとギクシャクします」
デザイナー側のそのまま言うと誤解を招く意見の例 | エンジニア側のそのまま言うと誤解を招く意見の例 |
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お互いに、コミュニケーション不足がおこると誤解が生まれます。去年DevIOで話した「視覚優位」「言語優位」も関係あるかもしれません。
でも、人間は他人が自分と同じ考えをもっていると錯覚している生き物なので、上記のようなことを思ったとしても、直接はいわず「回避」行動をとり、この人とはやっていけないと勝手に仲が悪くなる悪循環を繰り返します。
「今自分はこう思っている(上記理由)」+「なぜならこうだから(説明)」の話をする必要があるのではないだろか(お互い興味・意識が必要かも)
- エンジニアはデザインに興味ある人と、そうでもない人がいるよ(私的体感)
- クラスメソッドのエンジニアはデザイン関連で話しかけるとちゃんと答えてくれる
「話しかけると答えてくれる」行動には、デザイナーとしてかなり救われている部分があるのが事実です。1人で考えていいものができるはずがないのです。
デザイナーキャリアの選択肢?それ本当にやりたいの?
思いつく選択肢
- アートディレクター
- プロデューサー・ディレクター
- UXデザイナー
- わたしは一生デザイナー!ものづくりだけで生きていく!
- プロジェクトマネージャー などなど
あれ?思いついた名前以外と少ない気がする。もしくは、この定義のここに属したくないということもあるかもしれません。視野が狭くなっているかもしれない。
これは●●がやるべき
『人は自分が思っていることを、他人も同じように思っていると錯覚している生き物』です。「リーダーがやるべき」などのべき論にがんじがらめになってるけど、それをその担当に人間に伝えたことありますか?やるべきと思っているが、それをやりたいのは誰だろうと考える必要はあるかもです。
何かをしてほしいと思ったとき、それをやりたいのは実は『自分』だと思います。読心術をもっている人はいないので、伝えないとわからない。
なら、働きかけは自分がはじめる努力がいるのではないだろうかと考えることができます。
自分で範囲狭めてる問題
- 職業名にふりまわされてないだろうか。
- 行動範囲を決めると越境ができない。アートディレクターは、自分で制作してはいけないのだろうか。
- 一生デザイナーとは、一生なにをデザインしたいと思っているのか。WEBサイト?アプリ?チラシ?広告?それを作るのはなぜ?
名前に意味はないんじゃないだろうかと考えることはできる。でも対外的には意味はある。
- 肩書きという権力に弱い人は存在する。
- 日本人はブランディングが好き。
だったら、強そうな肩書きだけもらったらいいんじゃないのか?デザイナーなら、プロダクトマネージャーとかも強そうな気がする。
肩書き変わってもやりたいことやってよいと思う(会社として求めるものがあるのでそれは会社と相談ですが)
エンジニアもデザインしていいし、デザインの語源を考えると設計する人は実はみんなデザイナーだったりしますよね。
デザイン×●●
視野のはなしです。私もですが、デザイナーは視野が狭くなりがちです。
デザインのことだけ勉強・考えている。
理由は、上記と思います。どうしたら、美しく見えるのか?配色バランス。その他諸々や新しいツールの使い方はみんな勉強していますが、違うものを勉強する方は今までお会いした方たちの中ではかなりの少数です。
- 世の中いろんな因果関係でできてるから色々発見しようよ。
- その中で、デザインの力を感じることもある。意外と自分が楽になる。
私の場合は、デザイン×心理学とコーチング
きっかけは、もし明日デザイナーとしてダメと言われても代替え手段をもちたい。ということではじめました。もちろん、勝手に本を読んでやっていますということではなくて、スクール・大学にお金を払っての勉強です。
お金と不安を天秤にかけると、不安を解消することのほうが私には大切だったからです。結果、デザインにも凄まじく有益さを感じました。リターンは、学費以上であると実感できてます。
コーチングでは、デザイナーの特技である絵を描くながら話をする、いわゆるグラフィックファシリもできました。両方にいい影響を与えてくれています。
違う2種類のことができると、力になると、私にコーチングを教えていただきた方はコーチングと別の特技を合わせるといいといっておられました。また、足し算ではなくて掛け算になるとも言われますよね。
困らないということは自分の強さになる
ためらいとか、明日もしかしてデザイナーの仕事がなくなってたらどうしようといった不安を消してくれます。
これでも、まだ足りないと思っています。弱いのは、ネゴシエーション。ビジネス・数字などなど。
まとめ
- 自分の道は、自分で頑張って切り開けくと安心してすごせるかもしれない
- アウトプットは神(自分から情報を発信するとフィードバックがもらえるぞ)
- なんかアウトプットしていくと、うまくいく可能性はひろがる